うつの親を遠距離で介護するためには
うつの親の介護を遠距離でするのは認知症を患う親の介護と同じくらい心配なことです。
気分のアップダウンも激しく、元気な時は徘徊が心配で、落ち込んだら食事が取れているか、トイレやお風呂は大丈夫か、遠距離だと気軽に様子を見に行くこともままならないことも多いので尚更心配しますよね。
うつの親を遠距離で介護する場合、介護サービスがなければ成り立たないでしょう。
ここではうつの親を遠距離介護する場合の手続きについてお伝えしていきます。
まずは地域包括支援センターへ相談しよう
地域包括支援センターは地域に住む高齢者の総合的な相談や介護予防に必要な支援を行なっており、高齢者の保健医療の推進や福祉の増進を推し進めており各市町村に設置されており、社会福祉協議会や社会福祉法人、医療法人などへ併設されていることもあります。
包括支援センターの役割の一つに総合相談支援業務があり、高齢者にまつわる様々な相談を受け付けています。相談すると要介護認定の受け方や介護保険認定の申請などの手続きも受けることができます。
要介護認定を受ける場合、家族も同席しないといけないので先に日程を組むこともできるので親の住んでいる自治体の包括支援センターへまずは相談してみることをおすすめします。
ケアマネージャーと面談しよう
要介護認定で要支援1以上の認定が降りるとケアマネージャーが担当についてくれるようになります。
ケアマネージャーは介護サービスを利用するためのケアプランを作ることができ、ケアプランをもとに介護サービスの利用をすることになります。
ケアマネージャーが月に1度は自宅訪問をする決まりがあります。また、何か変わった様子があった場合、一番最初に様子を見に行くことができ、その際に親の困りごとの聞き取りもしてくれますし、必要な介護サービスの手配等もします。その際に様子を見てもらうことができるので安心です。
また、親と電話連絡も頻繁にでき様子見を欠かさずすることもできるのでお願いしておくといいですね。
訪問サービスの利用で服薬チェックと食事・買い物の支援を
要介護認定がおり、担当者会議が終わったら介護サービスが利用できるようになります。遠距離でうつ親の介護をする場合、頼りになるのが「訪問介護」と「訪問看護」だと思います。
うつになると精神的なアップダウンが激しく、元気に動き回ったかと思えば、寝込んだままベッドから出られず、食事も取れないことが続いたりするものです。
そういった状況も訪問系のサービスを利用することで、短時間でも様子を見ることができます。
うつに限りませんが、高齢者は暑さ・寒さを感じにくく、暖房・冷房を使いたがらないことがあります。また、暑いと感じていても空調を使わないこともあり、熱中症などの原因になることもありますが、訪問系のサービスを利用することで室温も調整できます。
訪問看護は短時間ではありますが、看護師が訪問して服薬の管理や体調管理をしてくれるサービスです。
うつの治療には適切な服薬管理が欠かせませんが、うつだと薬を飲み忘れたり、苦するを飲む元気もなかったるすることはよくあることです。
薬を飲み忘れることでうつ特有の不眠や動悸といった症状がひどくなってしまいますが、訪問看護サービスを利用することで飲み忘れを防ぐために薬をセットしたり、症状が重くなった場合に医師への説明もしてくれるので安心です。
季節の変わり目など症状が悪くなりやすい時も継続して支援を受けることで、遠距離でも介護は可能です。
月に1度は実家へ帰り病院受診をしよう
介護保険のサービスでは病院受診の付き添いはたとえヘルパーや看護師であってもできません。うつだと服薬をして治療していることが多いと思うので病院受診が最低でも月に1回は必要になります。
なので、たとえ遠距離でも月一の病院受診のタイミングで家族が帰省し病院受診をする必要があります。(もし家族が付き添うできない場合、自費負担でヘルパーを依頼できます。)
家族が一緒に付き添いすることで、親の病気の状態を知ることができます。たまにしか会わないと親の状況や状態も知る機会がありませんよね?
できるなら、月に1度は帰省して、本人の訴えを聞いてあげると症状が落ち着いたりする良い傾向もあると感じています。
親が介護サービスの利用を拒否したら
介護が必要な方のほとんどは介護のサービスの利用を嫌がります。理由は様々ですが、主な理由は2つあります。
・他人を家に入れたくない
・気を使いたくない
これは誰もがそう思うと思っています。うつであれば特に症状が良くない時そう思うのではないでしょうか?この2つをを解決するには「時間」と「慣れ」が必要です。
まずは短時間でいいのでヘルパーを利用してみることから初めて、少しずつ慣れてもらうといいのではないでしょうか?
それでも、介護サービスの利用を嫌がる人もいます。ゴリ押しは良くありませんが、介護する家族と本人、ケアマネをしっかり話し合いをすることで大抵は介護を受け入れてくれることが多かったと思います。
また、気の合う知り合いができたり、お風呂や食事が気に入ったり、気の合う職員さんがいたりすると利用してくれることもあるのでやはり一度「おためし」してみるといいかもしれません。食わず嫌いってありますしね!
どんなに説得しても受け入れてくれない人もごく僅かにいます。が、絶対受け入れるタイミングがあります。それは「介護をする家族が倒れた時」です。
家族、ケアマネ、介護事業所の関係が良ければこのタイミングで介護サービスの利用になることもありました。利用しないとショートステイや入院になってしまうのでそれは絶対嫌!というわけです。
これは、本当に避けたい最終手段で避けるべきことではありますが、結局大変になるのは介護する人と、介護される本人だと思うのですが・・・なかなかそうは上手く思えないようですね。
まとめ
遠距離でうつの親の介護をする場合のルートを説明していきました。
早い段階で包括支援センターに相談しておくと、その後の手続き等が楽です。要介護認定の結果がわかるまでに少々時間がかかるのでそういったことも踏まえて要介護認定を受けておくのもありだと思います。
うつの親を介護していると、その家族もうつになりやすい傾向があります。介護うつは珍しいことではなく、一生懸命親を介護する方がなりやすいと言えます。
介護で避けたいのは「共倒れ」です。なので、介護する家族は積極的に他人に介護をまかすくらいでちょうどいいと思いますよ。
そういう意識がもう少し広がるといいと思っています。