遠距離介護の知恵とコツ

車いすで足が冷えるときにお金をかけずに解消できる3つの方法

車椅子生活は足が冷える。その理由は?

下半身が弱くなって、歩行がむずかしくなる、長時間歩けなくなるようになるとお世話になるのが車いすです。高齢者が車いすに乗るようになると気になってくるのが『足の冷え』なぜ、車いすに乗るようになると足が冷えるようになるのでしょうか?

本来なら、下半身を動かすことで足のポンプ作用が働いて、血流がめぐるのですが、車いすを利用することで、ポンプ作用の働きが減り、全身の血行が悪くなり、体、特に手先、足先の末端の血流量が減り、冷えるようになります。

 

高齢者は加齢により筋肉量も減っており、より体が冷えやすいです。また、季節や室温などの温度変化を感じにくくなっており、暑さ、寒さを認識しずらいため、たとえ真夏であっても冷えを訴える高齢者は多くいます。

 

いったん冷えるとなかなか手先・足先、末端まで温かくならず、暖かくなるまで時間もかかるため、高齢者はいつもと言っていいほど寒さに震えていることもしばしばあります。介護が必要な親御さんだからこそできる限り毎日を快適に過ごしてもらいたいという気持ちは誰しも持っていると思います。

 

私が老人ホーム勤務していた時によくやっていた「お金をかけない車椅子の冷え対策」をお伝えしますね!

車椅子で足が冷えるとき試してほしいお金のかからない冷え対策3つ

 

車椅子で足が冷える原因は『体を動かさないことによる末端への血流量不足』と『筋肉量の衰えによるもの』があるのですが、高齢になると両方が原因と考えられるのでより冷え対策は大切になります。また、末端が冷えることで免疫力も低下します。それだけでなく、

 

・風邪をひきやすくなる

・抑うつ状態へつながる

・便秘

・下痢

・食欲低下

・むくみ

 

といった心身の不調が起こりやすくなり、不調の訴えが増えたり認知症状が重くなる、持病の悪化へとつながらないとも限りません

 

できる限り健康状態を良好に保つためにも、冷え対策は季節を問わず気をつけたいです。できるなら、お金がかからず今すぐ冷え対策ができると嬉しいですよね?ここではお金のかからない冷え性対策を3つお伝えします。

 

ひざ掛けで足全体を覆う

 

車椅子の冷え対策にはひざ掛けがおすすめです。足全体をぐるっと覆うことができ、靴下などと一緒に重ねて足全体を保温することができます。

 

膝掛けの素材はフリースなどよりも、静電気の起こりにくい木綿の綿入れなどをお勧めしていました。綿入は本当に暖かいのであるといいですよ!綿素材のもの、羊毛など天然の素材のものだと冬場の皮膚の乾燥を防ぐことにもなりおすすめです。

高齢者の皮膚は皮脂不足で乾燥していることが多く、化繊素材だと静電気が起こりやすくなり、より乾燥が進みます。粉吹き肌にならないようできる限りで構わないので天然素材のものを選んであげてください。

もっと保温力がある方がいい!そんな時にはアルミの保温シートをプラスしてください。全身に使えますし、軽くて暖かい!!災害用にも使えますし、100円ショップで買えて何より安い!といいことずくし。ひざ掛けの間に挟んだり、お尻の下に敷いたりと切ったりして使うこともできるのでぜひ試してみてくださいね。

電気毛布なども暖かくていいのですが、長時間使うとかなり乾燥するので夜間だけというふうに利用する時間を決めて使うといいと思います。

 

レッグウォーマーを使う

 

レッグウォーマーは車椅子ユーザーには必須アイテムだと思います。なぜなら、高齢者はとても皮膚が弱くなっていて、車椅子の乗り降りの時ちょっと当たっただけでも青あざができてしまったり皮膚がめくれてしまったりすることもあるからです。

皮膚が捲れてしまうことを皮膚はくりと言いますが、皮膚剥離が起こると治るまで数週間かかることもあるのでレッグウォーマーだけでなく、アームウォーマーも必須アイテムと言えます。

そういった事故をふせぐためにもレッグウォーマーが役に立ちます。素材は、化繊よりも羊毛などの素材が汗を吸っても蒸れにくく、保湿性もありおすすめです。膝掛けのところでもお伝えしましたが、直接肌に触れるレッグウォーマーこそ天然素材がいいでしょう。

レッグウォーマーは簡単に手づくりできます。100円ショップで毛糸と編み棒があれば1時間ほどでできてしまいますよ。私はよくグループホームでみんなで手作りしてましたよ手作りする場合も購入する場合もですがサイズがやや大きめのものが脱ぎ履きしやすく、させやすいので大きめのものを選びましょう。

 

レンチンできる保冷剤を使う

 

保冷材はCOOL,HOTどちらも対応しているものを買うと、夏や熱が出た時には保冷剤として使うこともできるので無駄がありません。湯たんぽやホッ〇イロなどもいいのですが、長時間の利用時の低温やけども心配です。湯たんぽはお湯を沸かす手間もあります。保冷剤だと使いたいその時すぐ暖かくなるのが良いところです。

保冷剤は100円ショップでも売ってます。100円ショップ最高!介護にも役立つ商品もたくさんあるのでとりあえず間に合わせたい時は100円ショップへGO!しましょう。

高齢になると寒さ、暑さに鈍感になります。そのため低温やけどのリスクも高くなります。温めた保冷剤を利用するときには、皮膚に直接あたらないようにし、皮膚が熱くなりすぎていないか時々確認してあげましょう。

 

車いす生活は冷える。少しでも快適に過ごしてほしいから。

 

車椅子を利用するようになると、冬だけでなく夏も足が冷えていて心配ですよね。高齢者は筋肉量も運動量も減っており、常時と言っていいほど冷えを解消する力が衰えているといえます。一度冷えるとなかなか解消しにくいもの。特に痩せ型の高齢者の方は寒がりさんが多いです。あまり着込みすぎてもいけませんが車椅子に限らず冷え対策はしてあげたいですね。

ほんのちょっとの外出でも、冷え対策をしているのとしていないのとでは冷え度が全然違います。冷えを感じていたとしても認知症状や言語の障害により訴えができない方もいらっしゃることと思います。ちょっとした対策と心づかいはしてあげたいところです。

少しの工夫とちょっとの出費で冷えは解消できます。車椅子の冷えが気になる方、ぜひお試しくださいね!!

-遠距離介護の知恵とコツ