遠距離介護を続けることが難しくなった時には。
遠距離介護を続けるのが難しいと感じることの原因の一つが介護疲れと親の認知症の悪化かと思います
遠距離介護をする方が一度は考える親との同居ですが、環境が変わることで認知症などの症状がさらに悪化し、介護される本人と同居家族が不仲になる例は多々あります
介護する側は同居することで緊急時などに駆けつける必要がなくなり不安は解消されますが介護をされる本人は環境の変化についていけず不安と戦うことになります
同居することで遠距離介護の移動負担はなくなりますが逆に介護負担が増える場合もあるということを念頭に置いておくと良いでしょう
誰でも一度は考える親 との同居その前に知っておいてほしいこと
遠距離介護中の方が親と同居する場合二つのパターンがあると思います
今住んでいる家に親を呼び寄せる
親の住んでいる家に自分が住む
同居を考えた時に予想されることをお伝えしていきます。
親を呼び寄せる 場合
親を呼び寄せる場合に一番考えたいことは環境の変化から起こるストレス状態です
住環境が変化することで 受けるダメージのことをリロケーションダメージといいます
特に認知症の場合症状 が悪化しやすいです
室内の配置が違うことで それまでできたいことができなくなることは多々あります
特に多くなるのがトイレの失敗です
それ以外にも自宅に帰りたいと思う帰宅願望が強くなる場合があります
これは認知症の方によく見られる症状の一つですが引っ越し転居することで自宅に帰りたいという気持ちが強くなり 怒ります
特に夕暮れ症候群と言って夕方4時以降になると身支度を始め家に帰りますと言ってうろうろし始めたり実際に外に出かけて行って帰り道がわからず 家族が大慌てするということはよくみられます
環境が変わることでもう一つ起こりやすいのが徘徊です
知らない場所から自宅へ帰りたいという気持ちが募って起こると思われるのですが
買い替えが頻繁に起こるようになると家族は大変介護負担を感じるものです
親が認知症の場合今までなかったこういった認知症特有の症状が出てきやすくなるということも想定しておくといいかもしれません
独身の場合同居家族がいないため
親が混乱した時にそばにいてくれる人がいません
環境が変わっても側にいて安心させてくれる人がいれば認知症でも安心して暮らすことができますがそれがないということでより混乱をきたしやすいので要注意です
都心部などに生活していた方が地方に住んでいるこの住居へ引っ越す場合方言などで会話が困難になることもあります
そのため会話が成り立たず友人ができず引きこもりがちになったりすることもあります
引っ越しをするということはそれまで築いてきた友人関係がなくなるまたは変化するということだと思います
周辺に友人がいないことで引きこもりがちになり その結果体の機能が落ちていくこともよくあります
買い物通院など今まで出来ていたことができなくなる
引っ越すということは常に新しいものにトライして行かなくちゃいけません
新しい環境で新しく生活を切り開く ことは若い人にとってはワクワクして楽しいことであっても高齢者にとっては大きな負担になりがちです
特に高齢者はなじみの関係や馴染みの場所があることで落ち着くことができます
それがなくなってしまうっていうことはやはり寂しいもんだと思うのです
このように新しい環境の生活自体が高齢な親にとってはストレスになってしまうのです
認知症の親にとって新しいことに慣れるということは難しくそのため不安が強くなり症状が悪化します
認知症の方の場合症状が悪化するということ
必ずしも同居することで介護負担が軽くなるとは限らないことを覚えておきましょう
親の住んでいる家に自分が住む場合
親が住んでいる家に自分が住むいわゆる U ターンすることですが、この場合親の認知症の悪化はすくなく今までの生活を続けることができます
ですが U ターンする場合介護する子供つまりあなたのこれからの生活が心配されます
一番心配なのは仕事のことです
近頃はリモートワーク化も進み在宅で仕事をしながら介護をされる方もいますが全ての人がそのような仕事をしているとは限りません
まず実家に帰ろうとなった場合自身の仕事をどうするのか決めることが先決です
40代から50代は離職したとしても再就職が難しい年齢になります。もし親と同居する場合リモートワークが可能か、転勤ができないか交渉してみるといいかもしれません
親の介護のために自分が実家に帰った場合
ヘルパーの生活援助が受けられなくなる場合があります
また特別養護老人ホームの入所の優先順位が下がります
同居家族がいることで一部の介護サービスが受けられないこともあります
実家に U ターンする場合事前にケアマネージャーと相談することをお勧めします
独身者が介護の必要な親と同居する理由
独身の40から50代の男女が介護の必要な親と同居する理由として挙げられるのは主に生活費を節約したいからだそうです。
特に50代の男性に親の介護をするために同居する傾向が見られ 年齢が上がるごとに一人暮らしをしたいと考える人が減るという調査結果が出ています
独身の場合自身が パラサイト化しないようにしたいものです
親との同居はメリットもあればデメリットもあることを知っておく
親を呼び寄せて同居するまた U ターンして親と同居するどちらのパターンにもメリットもデメリットもありますが
介護の基本は本人が自立して今まで通りの生活を長く送れることだということを基本にして
考えるとこれの親にとって何が一番いいことなのか選択する一つの考え方になると思います
独身で介護をするしかも遠距離ともなると負担は大きいです
介護が必要な親と離れて生活していることに罪悪感を抱くこともあるかもしれませんが
離れて生活することでメリットもあります
介護するということは心配が尽きないものです
あなたがどんな選択をしたとしてもそれは決して悪いことではありません罪悪感を抱く必要はなく 最善の選択だったと意味で諦めることも時には必要です
どの家庭にも色々な事情があって形は一つである必要はありません
他人が言われる事を過剰に気にせず自分らしい介護の形を作っていくことが独身の介護者に必要なことだと私は思います