一人っ子で、海外生活をしながら親の介護をする場合の注意点は?
海外暮らしの一人子が親の介護をする場合どうする
近頃は、海外暮らしの一人っ子が増えています。
海外暮らしが長くなってくると、知らない間に親も高齢化し、介護が必要になってくる場合もあるでしょう。
海外暮らしの場合、日本に籍がないことによって身元保証人になれないといった、できないこともあるので注意が必要です。
仕事をしている場合、また家族がいる場合、帰国するにも年に1〜2回ほどしかできず、状況確認 が難しいこともあるでしょう。
毎日の生活をどう維持していくか?親が認知症になったらどうするのか?病気になったらどうするのか 悩みが尽きませんが
その都度できることをするしかないのが海外遠距離介護だと思います。
ここでは海外生活をしながら親の介護をする場合 の注意点についてお伝えしていきます。
海外に住んで介護をする場合の注意点
こまめに連絡を取る
日常的に親と連絡を取り合うことで近況確認ができるのでおすすめです。
今現在もこまめに連絡は取っているかもしれませんが、親は子供に対して元気な自分をアピールすることが多く、子は親の健康状態の悪化に気がつきにくい側面があります。
こまめに連絡をとることで、健康状態だけでなく、訪問販売や詐欺などの被害の対策にもなり、また認知症状が出始めた場合には早めに気づくきっかけにもなります。
遠方で年に1〜2回程度 しか顔を合わすことのできない海外生活者にとってはこまめに連絡するのがいいでしょう。
在宅介護を受ける
要介護認定を受けた場合で同居家族がいない場合、 在宅介護が受けられるようになります。
訪問介護や訪問看護などで日常生活に必要な 家事サービスを受けることができ、
服薬や健康状態の管理、通院の介助も受けられるようになります。
日常的に見守りの目が増えることは、遠距離で介護をする家族の安心材料になると思います 。
帰国する
海外生活だと頻繁に帰ることはできません。また仕事をしている場合仕事を辞めるということも難しいかもしれません。
ですが、親が一人で生活が難しくなってきた場、合帰国するということが選択肢の一つに入ってくるでしょう。
認知症の悪化もそうですが、身体状態が悪化した場合、日常的に介護の手が必要になる場合が多く、介護サービスの利用だけでは生活がままならない場合帰国をせざるを得ません。
すぐに帰国が必要になる場合ばかりではありませんが、
もし状態が悪化したらどうするか?を決めておくことはとても大切なことです 。
施設に入所させる
海外生活者が最も安心できるのは施設入所だと思います。
ですが、海外生活者の場合、住所が日本にないことが多いので、施設に入所する場合、身元保証人になれない場合も考えられます。
一人っ子の場合、兄弟がいないので身元保証人になってくれる方を探しておくと良いでしょう。
もし、誰も身元引受人になりそうな人がいない場合、身元引受人サービスというものもあります 。
具体的に身元保証人が何をするかということをなのですが
入院・通院の判断の保証
支払いなどの金銭保証
亡くなった後の手続き・引き取り・退去の保証
この三つの役割があります
身元保証人は連帯保証人 や身元引受人と言われることもありますが、必要な理由については上記の三つに変わりありません。
身元保証人になれそうな人がいない場合、民間の 身元保証人サービスもあります。
身近に身元保証人になれそうな人がいない場合は一度相談されてみるのもいいかもしれません。
親を呼び寄せる
海外に親を呼び寄せる場合に 注意したいのが ビザ だと思います。
親を長期にわたって海外で介護する場合、利用できるビザは二つあります。
特定活動(老親扶養)
高度外国人材制度による招聘
どちらのビザについても取得しようとすると多くの条件があります。
どちらも 許可申請の難しいビザなので行政書士に代行をお願いすると良いでしょう。
また、呼び寄せについては、居住する国によってさまざまな基準があるので手続きする際は確認が必要になります。
親の意思を確認することが大切。
日本で暮らす親を心配するのは自然な感情です。
がしかし、子供がしてあげたいということが親が希望することではない場合がよくあります。
施設に入るにしても、呼び寄せるにしても、親の希望を聞くことが大切です。
どうしようもない場合もあるかもしれませんが 、介護の有無に関わらず、
ひとまず親の希望を聞いておくと、急に何か起こった場合でも意思を尊重して行動することができるでしょう。
高齢になると新しい環境に馴染むのに時間がかかります。
また認知症の場合ひどく悪化する場合もあります。
認知症状がなくても、認知症状のような症状が見られるようになる場合もあるので、急な環境変化はできる限り避けたいところではあります。
特に言葉が通じないことで引きこもりがちになることも心配されます。
事前に起こりそうなことを想定して、安心できる環境を徐々に作ることができると、 親も自分自身も安心して介護すること、介護されることができるでしょう。
そのためにも元気なうちから親の意思を確認しておくことが大切になります 。
できることとできないことをきめること。
日本人だけでなく、アジア圏の人は親に対して親孝行したいという気持ちが強いようです。
親が介護が必要になった場合、自分が全部面倒を見るといって過剰に介護負担を引き受けることがみられる場合があります。
ですが、海外生活の場合頻繁に帰国することはできませんし、状況もよく分からないこともあるでしょう。
身元引受にもできない場合もあるので、必要に応じて成年後見制度を利用したり、民間の身元保証人サービスを利用すると言った方法も柔軟に取り入れていく必要があります。
介護は長期間にわたる場合がほとんどです。
親孝行をしたいという思いだけでは介護を続けることができません。
決断するということは時には痛みを伴うこともあるかもしれませんが、できないことを頑張ることが決して親孝行ではないということだけ心に留めておくといいと思います。
どれだけやっても悔いが残るかもしれないけれど。できることをやればいい。
海外で遠距離生活をしている期間が 長いほど、親への思いは複雑なものがあるかもしれません。
自分を育ててくれたように、自分自身も親のお世話をしてあげたいと思うのは一人っ子でなくても思うことではないでしょうか。
介護はどれだけやっても悔いが残ることがあります。
施設に入れたとしても罪悪感などで心が苦しくなることもあるでしょう。
ですが、お互いに生活を変えることがベストではないということ 心の片隅においておくと良いのではないでしょうか。
介護は住み慣れた場所で今まで通りの生活を長く続けること。出来る限り自立した生活を送らせてあげること。
悔いは残ると思います。でもできることをやってあげればいいと思います。
あなたはそばにいるだけで親はきっと幸せなはずだから。